こんにちは。みのりそらです。
結婚している方に質問です。
あなたは老後も、夫と一緒にいたいですか?
一緒にいたい!
と即答できましたか?
できなかった方、夫婦関係を修復したいと思っている方、悩んでしまいますよね。。。
私自身、老後のことを考え始めた時、まず、ずっと夫と一緒にいたいか、自分の心に確認が必要だなと思いました。
どんな計画も一人か二人かで全然違ったものになりますよね~。
目を反らしてしまいがちだけど、大切なことを考えたい時、役に立つ本があります。
「春にして君を離れ」 アガサ・クリスティー著
あらすじ
イギリスの郊外に住む主婦、ジョーンが、病気になった娘を手伝いにバグダッドに行き、その帰りに学生時代の友人に会ったことをきっかけに、自分の人生を顧みます。
「思春期・反抗期の子どもに疲れた時に読みたい小説」で、子どもとの関係について気付かされたことを書きましたが、今回は夫との関係についてです。
「春にして君を離れ」の主人公である、イギリスの主婦、ジェーンと、弁護士の夫、ロドニーの関係は、表面上うまくいっているように見えます。
でも、 ロドニーは、「弁護士事務所を継がずに、農業を始めたい!」と、 第1子妊娠中のジェーンに言った時、猛反対されてしまい、 ずっと弁護士を続けていることが不満でしょうがないのです。
私もジェーンと同じ状況だったら、夫に確実な仕事の方を選んでほしいと思いそうです。
本編を読んでいる間は「ロドニー、可哀そう……」と思っていました。
でも、粟本薫さんの解説を読んで、気づかされました。
ロドニーはジェーンのせいにしているけれど、ロドニーが同意した時点で、二人の決定なんだ!! 可哀そうではない!
結婚に不満がある人は、この気づきが大切だと思うのです。
解説まで含めて、見事に構成された本です。
私と夫の場合
そこまで共感してしまったのは、私自身が実生活で、ジェーンの立場でもあり、ロドニーの立場でもあるからです。
子育て面での主導権
子育てに関しては、私が主導権を握り(ジェーン)、夫は基本的に私の考えに従っていました(ロドニー)。
(子どもに)テレビの時間は9時までよ!
そんなにきちっと決めなくても……。
毎日のことだから、決める方がやりやすいのよ。
まあ、任せるけど……。
二人の意見が衝突した時、私の方が子どもといる時間が夫よりも長く、強い考えを持っているので、だんだん夫の意見が通る確率は低くなりました。
まあ、今は子どもの意見も反映されて、こんなに単純ではありませんが……。
家計面での主導権
家計に関しては夫が主導権を握り(ジェーン)、私は基本的に夫の考えに従っていました(ロドニー)。
〇〇に投資したよ。
そう、任せるわ。(うわの空)
結婚当初は、私も家計簿を付けるのを手伝ったり、意見を聞かれたら答えようとしていました。
でも、私が家計簿を付けても、結局夫が毎日確認をします。
お金にまつわることは、夫の方がよく知っていて、こだわりが強いので、私が何を言っても意味がないと思って、任せきりになりました。
各々気になるところが違うから、お互いを補って、うまく行っているような気がしていたのです。
夫婦円満の秘訣?
夫婦の片方があまりにも自信を持って言うと、もう片方が「そうなのかも」と思って、従うことはよくあります。「かかあ天下が夫婦円満の秘訣」とも言われますよね?
どちらかが折れるしか仕方がないとずっと思ってきました。喧嘩ばかりはいやですから。
でも、もしかして違うんじゃないかと、今は思っています。
自信満々の相手に反論するには、自分を信じる心と、反論できるだけの自分の考えが必要です。
「わかってほしい」という愛と覚悟を持って対峙しないといけません。文中では勇気と呼ばれています。
諦めと無力感
反論するのは怖い。
面倒くさい……。
楽な方ばかり選んでいると…
⇩
諦めと無力感が大きくなる。
⇩
二人の間に埋めようのない距離ができる。
この状態になった夫婦関係を修復するには、二人の勇気が山のように必要です。
お互いを分かり合おうとする労力
ずっと一緒にいたければ、夫と分かり合おうとする労力を惜しんではいけないんだなぁと思うようになりました。
自分の考えを相手にわかるよう言葉を尽くして説明する。
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わかり合いたいという気持ちで、相手の言い分を聞く。
⇩
二人ならではの方法や対策を導き出せるかも!?
25年も一緒にいたのに、お互いによくわかっていないと気づいた時、悲しくてたまりませんした。
今もカップルセラピーに通って、夫婦関係をより良くしたいと話し合っています。今までやってこなかった、愛と覚悟を持った話し合いを練習しています。
以前より言い合いが増えたように感じますが、二人とも思っていることを伝えよう、聞こうとしています。
基本的にお互い一緒にいたいと思っていて、そのための努力をしているからこそ、二人の老後を考えようと思えました。
まとめ
80年も前にアガサ・クリスティーが書いた一冊の小説に、こんなに考えさせられるとは思いもしませんでした。
心の片隅にひっかかっても、「何でもない」と打ち消したり、怖くて直視できないものは、きっと誰にでもあります。
その小さな気づきにどう対処するかで、人生の充実度が違ってきます。
諦め続ける人生は安定してるかもしれないけれど、心の中はスカスカになります。
大切な話し合いを避け続けると、夫婦関係が空洞化します。
ジェーンの最後の選択は、この本を読んで色々考えた読者に突き付けられた選択肢かも??
「春にして君を離れ 」の他に、アガサ・クリスティーは「メアリー・ウェストマコット」というペンネームで、ミステリーじゃない小説「未完の肖像」「暗い抱擁」「娘は娘」「愛の重さ」 などを書いているので、そちらも読んでみたいです。
夫婦関係については、「【産後、旦那嫌い!】離婚を考える前にためしてみたい伝え方」もご覧ください。