こんにちは。みのりそらです。
「母親業はむくわれないなぁ」と思ったことはありませんか?
家族のために一生懸命世話をしても、当たり前と思われている!
私がいないと、何も進まない。一体、どうなってるの?
そんな風に感じている方は多いのでは?
私もその中の一人。反抗期の子どもには、何をしても文句を言われるばかりで、イライラしている日々でした。
コロナで自粛生活が続き、子どもと過ごす時間が苦痛になってきました。
母親として失格かも??
虚しくなって、かなり参っていた時、この小説を読んで救われました。
悩んでいるお母さんたちにおススメの一冊です。
春にして君を離れ アガサ・クリスティー著
アガサ・クリスティーが、メアリー・ウェストマコットというペンネームで、ミステリー以外の小説を書いていたとは知りませんでした。
子育てに悩んでいる時に、ハウツー本じゃなくて小説?と思われるかもしれませんが、人間観察に優れた著者ならではの家族のお話です。
「春にして君を離れ」の主人公は、イギリスの郊外に住む主婦、ジョーン。病気になった娘を手伝いにバグダッドに行き、その帰りに学生時代の友人に会ったことをきっかけに、自分の人生をふり返ります。
冒頭は、ジョーンの心の声が友人を見下してばかりで、ちょっと読むのが辛かったです。
でも、途中で汽車に乗り遅れ、砂漠で足止めされた時から様子が変わってきます。
いつも人の世話をするのに忙しかったジョーンが、思いがけずできた自由な時間に、今まで気になっていたけれど直視しなかったことを見つめ直します。
思春期・反抗期の子育ては難しい
正解がないのが子育てです。それでも、できるだけ子どもを一番良い方向に導きたいと思うのが、親心。
どこまでが導きで、どこからが過干渉なのか、線引きが難しい!!
特に、子どもが小さい頃は何でも親の助けが必要で、親が決めることも多いですよね。
どのタイミングで、どの程度手を放していくか、親によっても子どもによっても違ってくると思います。
3人の子ども達に避けられるジョーンの描写を読んで、胸にモヤモヤが広がってきました。
我が家の場合
そのタイミングで、子どもに言われたのです。
今日のお出かけ、パパと二人で行きたいから、ママは来なくていいよ。
いつもだったら、「自分の時間ができる。ラッキー!」と思ったかもしれません。でも、この時は、「春にして君を離れ」を読んでいて、既に心が半開きになっていました。
私も避けられてる? 嫌われてる?
と思って、泣いてしまいました。
子どもの前で泣くことは滅多にないので、驚かせてしまったようです。でも、その分、二人で深い話ができました。
子どもの「自分で決める」練習
日常生活の中で、私が厳しく言う担当になってしまっていました。13歳の子どもはもっと自由にしたくて「今日は来なくていいよ」と言ったのです。
しっかり話してみると、彼女なりの基準もあって、成長していることが感じられました。
きっと私が今ほど口うるさく言わなくても、とんでもない所に飛んでいく心配はないのでしょう。
反対に、このまま私の基準で厳しく管理していくと、ジョーンの子どもたちのように、早く家を出て自由になることを夢見る可能性の方が高そうです。
今も、心配で口出しをしてしまいますが、5年後には自立していく子どもにできることは、「自分で決める」練習ができる安全な環境を作ることだと思えます。
以前より一緒にいることが楽になりました。
まとめ
ハウツー本じゃなくても、こういう気づきの機会をもらえたのは、この小説の力だと思います。細かい人物描写に、引き込まれていきます。さすがアガサ・クリスティ―!
アガサ・クリスティーは「メアリー・ウェストマコット」というペンネームで、「春にして君を離れ」の他にも、5冊のミステリーじゃない小説「愛の旋律」「未完の肖像」「暗い抱擁」「娘は娘」「愛の重さ」を書いています。
「春にして君を離れ」……思春期・反抗期の子どもとの関係が楽になるきっかけになればいいなぁと思います。
反抗期の子どもへのより良い対応については、「【中学生の反抗期】ほっとくべき? 疲れた母が変えた、たった3つのこと」もご覧ください。